No.74 ギターの音作り総論2 ~演奏者編~
ギターの音作り総論~演奏者編~
前回の話では
・音作りってなんなの?
・そもそも必要なの?
といった部分を料理にたとえて説明しました。これが一番関係としてわかりやすいかなと。
なわけで第二回。
今回の話の焦点は音作りの第一要素、演奏者本体について考えます。
・演奏者自体の性能
ギターの演奏を聴いて、「あ、この人うまいなぁ」と思うことってありますよね。え?ない?どんだけうまいんだというかこの記事はとてもあなたの役には立たない・・・
まぁあるとしましょう。想像してください。それとは別に「あ、この人の音いいなぁ」と思うこともきっとあるはずです。あってくれ。
その2つは常に同時に起こるとは限りません。
たまたま見に行ったバンドで、演奏はいまいちかもしれないけどなぜかギターの音がぐっときた、とか音は好きじゃないんだけどすごいプレイだったとか。あんまりないけど。
というところから考えると「演奏者のスキルは音作りに関係ない」という結論に飛びつきがちですが、それは正解ではありません。なぜならスキルと音作りは評価基準が違うからです。
ギターがうまい人、というとまた「うまいとはなんなのか」という極限的な命題に落ち込み戦争になってしまうのでギターがヘタクソな人を考えましょう。
学校の部活、まったく練習せずに格好だけギタリスト。当然プレイもへぼへぼ。
この人のギターを聞いた人に「あの人ギターうまいの?」とたずねれば大体否定的な返答がくるでしょう。
でも、「あの人のギターの音はどう?」と聞いたときは評価が分かれる場合があると思います。
まぁここまでへぼキャラだと音もいまいちかもしれませんが・・・
楽器の上手い下手は大雑把にですがある程度上下が見えますが、音色はすべて横並びで優劣が無いためです。
じゃあ音作りと上手い下手は関係ないじゃん、となりそうですが、スキルの上達の過程に意味があります。
楽器は上手くなろうと思ったら練習をしなければなりません。その練習の過程で少なからずいくつかの音色に触れていくはずです。そうです。いろんなジャンルの味を知るわけです。たとえばギター初めてからパンク一辺倒で他は聞いていないとしても、そのパンクの中にいろいろなパンクサウンドがあります。さらに自分のピッキングで出せる音の種類や様々なテクニックでサウンドバリエーションは広がっていきます。
音色のバリエーションというのは何も全然別のクリーンサウンドとディストーションサウンドが使えるようになった!!という話ではなく、クリーンでもカッティング向きのクリーンとか、ジャズ向きのクリーンとか、いろいろあるものです。要はメニューが多いと。
あとはピッキングやビブラートなど所謂テクニックに属するものですね。上手い人はそういう部分で差がついているように思います。
メニューが増えれば曲にあった音を選びやすくなるし、テクニックがあればより表現力が豊かな演奏ができます。これら2つの要素を鍛えることが大切だと考えられます。当たり前だけど。スキルを身につけていく上でその人の考える「いい音」をより正確に作り上げることができる、というのが一番大事な部分です。音作りのスキルというか。
ビブラートなどは音作りとは別の要素と捉えられがちですが大きな要素です。ゆったりめのバラードなのにハードロックよろしくの深くて回数の多いビブラートをかけると変な感じがします。(狙ってやるなら別ですが)逆に激しい曲で薄くてゆったりしたビブラートをかけても全然目立ちません。
ピッキングの強弱やスライド、ビブラートやチョーキングなどはテクニックの一部ですが音色において非常に重要です。じゃあ残りのエフェクターとかはどうするのか、を次回考えてみたいと思います。
ちなみに表現力というかそれに属するようなテクニックを音作りに含めるのか否かというところに関してはまた難しいですが便宜上ここではそれらを含めて(すなわち表現力とか言われる部分含めて)音作りとして考えます。ビブラートもエフェクターで出来なくもないですし。
いちおうこの音作り概論はすべて個人の経験その他に基づくものなので一般論ではありませんのであしからず。
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